むさしの逍遥会は登山、ハイキング、街歩きを楽しむ中高年グループです。

山旅、中央アルプス

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木曽駒ヶ岳・宝剣岳・空木岳


地域中央アルプス 千畳敷、木曽駒ヶ岳、宝剣岳、空木岳(うつぎだけ)
コースしらび平~ロープウェイにて千畳敷~木曽駒ヶ岳~宝剣山荘(泊)
~宝剣岳~檜尾岳~熊沢岳~木曽殿山荘(泊)
~空木岳~大地獄~池山林道終点~車にて菅の台
実施日2015年9月28日(月)~30日(水)
歩行時間(休憩含む)20時間5分(3日間)
天候各コース報告を参照
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コース概要

中央アルプス千畳敷をスタートしカールの景色と紅葉を楽しむ。木曽駒ヶ岳(2956m)に登頂し宝剣岳直下の小屋に一泊。2日目、宝剣岳(2931m)を経由し木曽殿山荘までの稜線を縦走する。3日目空木岳(2764m)を登攀し池山尾根を下山する。

中央アルプス地図

初日 しらび平からロープウェイにて千畳敷~宝剣山荘~木曽駒ヶ岳~宝剣山荘

晴れ
ロープウェイで2612mの千畳敷まで上がると圧倒的な風景が出迎える。カールに花崗岩の白、赤・黄に色づいた木々が美しい。平日にもかかわらず観光客が多い。休日はもっとすごいのだろう。 いきなり高度を上げたので、順化のため、駅の近辺で30分ほど過ごした。
観光客に混じって乗越浄土に向かう。小学1年生もいた。乗越浄土に着くと気温が下がり風も強い。ヤッケを着て木曽駒ヶ岳を目指す。中岳のこぶを超えて木曽駒ヶ岳に着いた。御嶽山、南アルプスの眺めがいい。頂上にはさほどゆっくりせず、宝剣山荘に向かった。着いたのは16時だった。遅い!
寝るのは2階の屋根裏。向かいの人と足がぶつかりそうで気を遣う。今夜はスーパームーンとかでみんな騒いでいる。17時の夕食後、私も外に出て月を見たが、寒くて早々に引き上げた。

千畳敷

千畳敷カールの風景
紅葉の赤、黄。はい松の緑。花崗岩の白。


千畳敷から南アルプスを望む
千畳敷から南アルプスを望む

乗越浄土に向け高度を上げていく。南アルプスの峰々を望む。右に富士山の頭も見える。

乗越浄土への登り
乗越浄土への登り

さらに高度を上げると正面に宝剣岳が迫ってくる。右に紅葉。


木曽駒ヶ岳頂上
木曽駒ヶ岳頂上

小生、いい天気だ。

宝剣岳
宝剣岳

木曽駒ヶ岳から中岳を超え青い屋根の宝剣山荘に向かう。手前の赤い屋根は天狗荘。正面は明日登る宝剣岳。


御嶽山
御嶽山

火山灰のせいか上部が白く見える。

宝剣岳天狗岩
宝剣岳天狗岩

夕日を浴びる天狗岩


宝剣山荘の夕食
宝剣山荘の夕食

ハンバーグ、海老フライ、鳥唐揚げ、右下はきな粉をまぶしたお餅

宝剣山荘内部
宝剣山荘内部

屋根裏大部屋、向かいの人の足が触る。


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2日目 宝剣山荘~宝剣岳~極楽平~濁沢大峰~檜尾岳~熊澤岳~東川岳~木曽殿山荘

晴れ 5:00朝食、6:30出発
宝剣岳の登りと下りがこの日のメインイベントであり、最も緊張する時間であり、その後の木曽殿山荘への縦走は気持ちの良い稜線歩きという認識だった。
宝剣岳への登り、頂上からの下りは角度が急で、慎重な手足の運びが求められる。ルートは○印が随所に付けられ、鉄の足場・鎖が設置されている。3点支持で動作し、ドキドキした時間を過ごすとコースタイムどおりに通過でき極楽平に着いた。
やれやれ、天気はいいし時間はたっぷりある、後は稜線散歩だ。極楽平からは1時間から1時間半のコースタイムで濁沢大峰、檜尾(ひのきお)岳、熊澤岳、東川岳と続き、東川岳からは20分ほどで木曽殿山荘に着く。と思っていると、所々に厳しいルートが顔を出した。

宝剣山荘の朝食とお弁当
宝剣山荘の朝食とお弁当

左が朝食、これにご飯とみそ汁が付く。右がお弁当。

宝剣岳中腹の岩峰
宝剣岳中腹の岩峰

後方に上松Aコース、御嶽山


宝剣岳核心部
宝剣岳核心部

緊張する岩稜地帯

宝剣岳頂上
宝剣岳頂上

宝剣山荘から20分。誰もいなかったので自撮りしたが上手く撮れてなかった。


空木岳へ続く縦走路
空木岳へ続く縦走路

宝剣岳頂上付近から南へ続く縦走路を見る。空木岳がいい形だ。

岩の通り道
岩の通り道

岩が覆いかぶさった通り道。鉄の手がかり、鎖がある。


宝剣岳を振り返る
宝剣岳を振り返る

緊張する部分は終了し宝剣岳を振り返る。左は木曽駒ヶ岳。

三ノ沢岳
三ノ沢岳

西に三の沢岳が構える。


空木岳
空木岳

熊澤岳を過ぎた稜線上から空木岳がはっきりしてきた。檜尾岳から熊澤岳までは写真を全く撮っていない。歩くことで精一杯だったのだ。

熊澤岳から東川岳への稜線
熊澤岳から東川岳への稜線

先行する2名の登山者


木曽殿山荘の夕食
木曽殿山荘の夕食

おでん7種類、ハム、サラダ、果物、かやくご飯。
朝食の撮影忘れてしまった。

木曽殿山荘2階
木曽殿山荘2階

2階大広間が寝室、空いている。外気温度は7度だった。


檜尾岳から熊澤岳に向かっている時ルートを見失った。別の言い方をするとここが正しいルートだという確信が持てない。 もたもたしていると後続の単独行者Aさんが追いついた。Aさんは自分なりにルートを探し前進した。が、どうも違うようだと戻ってきた。 こういう時はルートがはっきりわかるところまで戻るのが原則。少し戻ると今度は別の後続者2名BさんCさんに追いつかれた。 Bさんがルート工作をする。「ここが正解でしょう」という発言に従い、そこを進んだ。そこは、私とAさんが一度はトライしたルートなのだ。 足元は30度位右下に傾き幅40センチ位。左は花崗岩の1枚岩が壁のように迫り、指先が1~2センチほど引っかかる割れ目がいい高さで進行方向に続いている(トラバース、写真があるといいのですが)。ちなみにここにも、その前後にも、ペンキの○印や矢印はない。鎖や人工の足場もない。 この稜線は花崗岩がゴロゴロ重なった状態で構成されている。手も足も滑りにくいのだが、ここは鎖や足場があればいいのにと思う場所が随分あった。 北アルプスなら設置されているだろうと思われるいわゆる難所にも、設置無しで済まされている。別の見方をすると玄人好みというところか。結局、檜尾岳から熊澤岳までコースタイム1時間10分のところ2時間10分かかってしまった。 でも楽しかった。

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3日目 木曽殿山荘~空木岳~駒石~分岐~大地獄~林道終点

晴れ 4:50朝食、6:10出発
木曽殿山荘を出発するとすぐに急登が始まる。第一ピークと呼ばれる所でストックをザックに括り付けた。3点支持が必要な登攀の連続だ。 鎖やはしごは無かったように思う。あればいいのにと思った箇所はたくさんあった。登攀に集中しているため周りの景色を見ている暇がない。 楽しい時間だ。岩に膝をぶつけた。気を付けていたのだが、頭はぶつけないようにしよう。ヘルメットの必要性を感じた。岩を掴み、引いたり押したり、ジャンプして向こう側の岩に飛び移ったり、足を思い切り伸ばして岩に引掛けたり、日常ではやらない行動の連続だ。 困難な箇所を一つ一つこなして登っていくのだが、その箇所をカメラに収めるのでもなく、どのように手足を動かし乗り越えていったのか覚えてもいない。 いい時間だ。高度を上げると、昨日歩いてきた稜線とピークが見えて来た。随分歩いたものだ。
8:00登頂。後は下山だ。歩く予定の尾根道が東側に伸びている。緩い傾斜を保っていて、技術的には優しそうだが転倒などしないよう気を引き締めて行こう。 小地獄、大地獄と呼ばれる箇所は急こう配で鎖が設置されていた。鎖があっても難しい箇所だった。下山口近くで、福島から来た単独行者と前後しながら歩いた。彼は車で来ていたので、徒歩1時間の距離を乗せてもらった。有り難い。 菅の台で温泉につかり、着替え家路についた。

木曽殿山荘
木曽殿山荘

空木岳への登山道から木曽殿山荘を足元に見る。

稜線
稜線

昨日歩いた宝剣岳と東川岳を結ぶ稜線


空木岳花崗岩
空木岳花崗岩

岩溝

空木岳巨岩
空木岳巨岩

岩棚を進む


空木岳山頂
空木岳山頂

小生、やれやれ。ここまで写真がほとんど撮れてない。

池山尾根
池山尾根

なだらかな下山路


駒石
駒石

かなり巨大、前に人が立っているのだが

空木岳登山口
空木岳登山口

長野県山岳遭難防止対策協会の立て看板。遭難が4月から8月までで17件発生している。


結び

技術的に難しい箇所が随分あったが、そこがこの山行を面白くしたと思う。
北アルプスのような大きなペンキの目印、親切な鎖やはしごは安全に登山をするのに必要と思われるが、 自然を傷つけたり、 汚したりしているわけで違和感を感じていた。中央アルプスは、ペンキやくさり等が最小限に抑えられていて、 好感が持てた。但し、事故はそれなりに発生している。登山者は自分の力量とコースの難易度をよく理解してこの山域に来なければならない。 千畳敷は家族にも勧められる素晴らしいところだ。紅葉も良かった。花の時期は終わりで高山植物はほとんど見れなかったが。
朝の気温は5度位だがストーブが焚かれ寒くはなかった。街の中で暮らす便利さとはかけ離れた非日常を全て受け入れて、 山から得られるものを受取れた気がする。



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